2006年08月27日

◆新羅神社考、新羅神社と新羅明神の謎(二)

◆新羅神社考、新羅神社と新羅明神の謎(二)


◆新羅神社考、新羅神社と新羅明神の謎(二)

 ※出羽弘明氏の『新羅神社考-「新羅神社」への旅』(三井寺のホームページで連載)を紹介する。出羽弘明氏は「新羅神社と新羅明神の謎」について、現地に出向き詳細に調べておられる。そこからは、古代、日本と新羅との深い関係が窺える。内容を要約抜粋し紹介する(新羅明神、白髭明神、比良明神、都怒我阿羅斯等、天日槍、伊奢沙別命、素盞嗚尊、白日神、新羅神など)。

◆◇◆新羅神社考、新羅神社と新羅明神の謎、奥州(出羽・陸奥)
 山形県南部の置賜盆地(米沢盆地、最上川の上流)の東端には新羅神社(東置賜郡高畠町)が現存している。新羅神社のある山裾を東から西にかけてそれぞれ一メートル位の間隔で八幡神社・賀茂神社・新羅神社が存在しており、それらの神社については源氏三兄弟にかかわる伝説が伝わっている。

 またこの近くには、近江からの勧請といわれる白髭神社(白髭明神は大陸から帰化して近江を開墾した氏族の祭神であったものが猿田彦に転じたものとされている)がある。白髭神社も一説によればシラギの別称で、新羅神社であるといわれている。近江出身の人々がこの地に多く移住していたことが考えられそうだ。

 さらに福島県相馬地方の「相馬馬追」の武士団の中には新羅明神を信奉していた武士がいたようである。「相馬野馬追」の「神旗争奪戦」の神旗の中に「新羅大明神」なる宇多郷の一条氏に関係する神旗があり、『衆臣系譜』によれば、「鎮守が素戔鳴尊垂迹新羅大明神、三井寺鎮守」とあり、更に家紋は割菱(武田氏の紋)、幕紋は菅であるそうだ。すると、素戔鳴尊=新羅大明神なのであろうか?

 また、東置賜郡からさほど遠くない宮城県柴田郡には新羅三郎義光(※注1)や新羅系渡来人と縁の深い土地「新羅の郷」(宮城県柴田郡支倉)がある。「新羅の郷」の説明文(川崎町教育委員会)によると、前九年の役の折、源氏の武将・新羅三郎義光が新羅(朝鮮)の帰化人三十七人を率いて、この地に住まわせたそうだ。支倉(はせくら)に住んだ新羅人は優れた技術を持っていたので、砂鉄を精錬して武器と農具を作って戦役の用に供し、それ以来新羅の郷と呼ぶようになったとされている。

※参考Hints&Notes(注釈)☆彡:*::*~☆~*:.,。・°・:*:★,。・°☆・。・゜★・。・。☆.・:*:★,。・°☆

(※注1)源義光は、近江志賀の天台宗・園城寺(おんじょうじ、滋賀県大津市園城寺町)の鎮守の一つである新羅善神堂・新羅明神(しんらみょうじん)の社前で元服して、「新羅三郎義光」と名乗るようになる。源義光は、知謀に富み、弓馬の名手で、笙(しょう)に長じた武将とされ、各地に史跡・史料が残っている。

 右馬允、左衛門尉を経て左兵衛尉の任にあった寛治一年八月(一〇八七年)、いわゆる「後三年の役」における兄義家の苦戦を聞き、官職を辞してはせ参じた話は有名である。

 乱の平定後、義光は刑部丞に任ぜられ、常陸守・甲斐守を経て、刑部少輔にまで進みます。刑部丞に在任中、常陸国に下り、菊田庄を手に入れる。刑部丞の職にありながら常陸国に下った理由は定かではないが、当時の常陸国は豊かな国であったそうだ。

 「後三年の役」を通じて、その豊かさに目をつけた義光は、ここを地盤として、一族の勢力を扶植しようとしたと思われる。後、常陸国久慈郡佐竹郷を本拠として興る佐竹家、及び信濃国の武田・安田・小笠原等の諸家の祖となった。


スサノヲ(スサノオ)


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Posted by スサノヲ(スサノオ) at 00:35│Comments(0)スサノヲの日本学
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